階段は昇りより降りが危険

家庭内事故件数で一番多いのが、階段からの転落・転倒によるもので、年齢別に見ると、0~4歳の乳幼児が33.4%を占めて最も多く、65歳以上の高齢者も15.0%と多くなっています。ケガの程度は、乳幼児は低く、50歳以上になるとケガの程度が重くなる傾向があります。

よく言われてますが、『階段は昇りより降りが危険』です。
事故別統計を見ても、昇りに比べ4倍の事故が降りでおきています。
・昇りにくらべ足を降ろす工程(移動距離)が長く、膝が伸びた状態で着地するため、膝のバネが効かず不安定になります。
・昇りは着地点が見えますが、降りは見えない状態で着地するので、感覚が狂うと踏外したり転倒する原因になります。

現在の階段に関する規定では
①建築基準法
・有効幅が75cm以上
・踏面(ふみづら)15cm以上
・蹴上げ(けあげ)23cm以下

②住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)
・勾配が22/21以下であり、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が550㎜以上650㎜以下であり、かつ踏面の寸法が195㎜以上であること。
・ 蹴込みが30㎜以下であること。

高齢者が居住する住宅の設計に係る指針の推奨レベル
・勾配が6/7以下であり、かつ、けあげの寸法の2倍と踏面の寸法の和が550㎜以上650㎜以下であること。
・ 蹴込みが30㎜以下であり、かつ、蹴込み板が設けられていること。
・ 回り階段等安全上問題があると考えられる形式が用いられておらず、かつ、最上段の通路等への食い込み部分及び最下段の通路等への突出部分が設けられていないこと。
・ 踏面に滑り防止のための部材を設ける場合にあっては、当該部材が踏面と同一面となっていること。
・ 踏面の先端と蹴込み板を勾配が、60度以上90度以下の面で滑らかにつなぐ形状とすること、その他の措置により段鼻を出さない形状となっていること。

難しい表現ですが、建築基準法は最低限の規定で、従来は旧住宅金融公庫が金利誘導で規定しています。札幌は旧住宅金融公庫の利用率が高かったので、公庫仕様と呼んで、時代によって規定に適合した住宅を建設していました。バリアフリーの推進によって、今後は③の推奨レベルにシフトすると予想されます。

リフォームでは階段を作り直す作業は極めて難しく、大規模リフォームに分類される工事になります。現在の住宅で安全性を高める方法として、手すりの取付けや踏み板の滑り止め等が比較的簡単に出来ます。

階段手すり設置の注意点
・降る時に利き手側になるように設置し、急勾配の階段は両側に設置するのが望ましい

・手を滑らせながら使用するので、手すりの断面は円形が基本で、太さは直径32~36mmやや太めの方が安定します。

・手すり端部は衣服の袖口が引っかけやすいので、壁側または下方へ折り曲げる

・手すりは連続して繋ぐのが望ましいですが、離れる場合は40cm以内で設置する。

・設置高さは踏み板先端から75cm~80cmが基本ですが、必要とされる方に合わせて高さを決めてください。目安としては、腰骨の出っぱた部分(大腿骨大転子)や腕をまっすぐ下ろした状態で、手首の位置(尺骨茎突点)に合わます。

・上下階部分で20cm以上延長して長めに付けた方が、最後の一歩までしっかりと握っていられるので便利です。

・材質は木製が樹脂皮膜製が適してます。金属製は札幌では冬に冷たくなるので避けた方がよいです。

・グリップ力が高まる、ディンプル加工された商品もありますので、ご検討ください。

余談ですが、階段巾75cm以上の規定に対し、手すり設置して「建築基準法の一部を改正する法律」により、手すりの幅10cmを限度に、ないものとみなして階段幅を算定できるようになりました。たとえば、75cm巾の階段に壁からの手すりの出っ張りが、10cm以下の場合は、階段巾は75cmとみなしOKです。